朝のトレンドから。
ついにここまで来たか…と思いきや、そう主張するお方が朝のニュースで取り上げられたのね。
ヲタク界隈的には、日ごろから「〇〇は俺の嫁」とか言ってるわけで、その延長のようで、大したことがないような…?
とはいえ、ネタとしてちょっと思い付きがあったので、折角なので拾ってみましょう。
そもそも婚姻とは
婚姻は憲法と民法でこのように定まってます。
この両性とは何を意味するのかとか、近代的な議論はありますが、それはさておき両当事者の意思が合わない事には婚姻は成立しません。
その他細かい?婚姻上の禁止事項もあるので、これから障壁としてみていきたいのですが、大前提としては意思が合うことです。
補論:民法の意外な抜け穴
でもこうしてみると、日本の民法って婚姻の条件に「肉体の物理的存在」は前提としてないんですよね。
SF世界みたいに、脳みそだけ生きているとかの場合でも、意思さえ残っていてそれが表現できれば婚姻ができると。。。
つまり、≪鋼鉄ジーグ≫の司馬宙や≪勇者王ガオガイガー≫の獅子王凱の様に、「ヒトの意思は残しつつ、体はサイボーグ」な方々も無事に婚姻を果たすことができます。やったね。
この理屈で行くと、≪機動戦士ガンダム 水星の魔女≫のエリクトとか、≪機動戦士ガンダムOO≫のティエリアの様に、そもそも物理的な肉体を失っているが、データ領域に存在する方々も婚姻できます。
ん?もしかして、あの「エリクトの姉妹」も…。いややめとこう。
意思さえあればいいんだから、≪ゲッターロボ≫のゲッター線とか≪伝説巨人イデオン≫のイデのようなエネルギー体も婚姻できるのか…。ろくなことが起こらなさそうだけど。
日本の発想は変態(誉め言葉)とはよく言われるが、まさか民法がSF対応とは思わないですやん?
これはAI婚推進派にとっては大きなチャンスかもしれません。
AI婚の形式的障害
形式的な障害。「意思はあってるんだけど、形式的にダメ」なパターンからご紹介
単純な年齢制限。以前は男女で差がある規程でしたが、近年は統一されました。
AIに年齢があるんか?という疑問が付きますが、誕生してから計算なら多くの対話型AIは18歳未満でしょう。アカンやん!!
うーん、AIの話なんで、頑張って年齢設定上げましょうか。AIだったら18歳として振る舞えといえば振る舞えそうではあるし。
とりあえず、AI婚といってもAIの設定が18歳未満だと駄目だよというのは覚えておいてください。
結婚は18歳になってから
それと、日本における「法律婚」は事実上、新戸籍の創出とその戸籍への記載を意味します。
婚姻の事を入籍と表現するのはこのためです。
当然ながら、AIには戸籍がないので、法制度を整備して新しく戸籍を作るか、或いは戸籍がない方との婚姻つまり外国籍の方との婚姻と同様に扱う必要が出てきます。
おおよそ日本人パーソナルなAI相手だとややっこしいことになりそうですが、今回は一先ず外国籍結婚と同じで扱いましょう。
AI婚の本質的問題
本質もくそもないだろと思いましたが、そこは許してください。
先のとおり、婚姻には「意思の合致」が不可欠です。
さてAIに意思があるのかどうか・・・うーん。
そもそも意思とは何でしょうか。
民法学上は「行為について認識判断でき、法律効果を望み、外部に表示する」ことという言説があります。
後半部分は一般的な議論としてややっこしいのですが、端的に婚姻に関して言えば、「婚姻という行為効果を認識判断できて、その行為を望んだ(そしてそれを表現した)」ということです。
(補論的ですが、詐欺や強迫について意思がないとされるのは、この認識判断が歪んでいたりそもそも望んでいなかったりするためです。)
残念ながら現代の対話AIではこちらのクエッションにアンサー的に回答するだけで、認識判断や法律効果を理解しているとはいいがたい様に思いますので、婚姻として障害が残っているように思います。
SFにおけるAI婚
と、ここまで話して終わるのも味がないので、そもそもSFにおけるAIであればどうか?という点に考えて見ましょう
僕がパッと思いついたのは≪勇者警察ジェイデッカー≫のデッカードをはじめとした超AI搭載型のブレイブポリスたち。
彼らは善悪の判断はもちろんの事、警察活動も行うため刑事訴訟法という法律も理解しています。ということは、婚姻による法的効果も理解し、意思表示が出来そうです。つまり意思があり婚姻ができる。
問題は、彼らのパートナーが大方小学生ということでしょう。18歳未満。
デッカード、後10年ぐらい待ってくれ。逆にマクレーンとダンプソンは急げよ?デューク?お前はEU法だ。
思考を持ち、ルールを理解するという基準で行けば、≪疾風!アイアンリーガ≫のマグナムエースらもスポーツができる程度にはルールを理解できるAIなので、意思表示が可能だろう。
ん?某ゲームで野球ボールを敵にぶつけてた?何の話だ?
ルールは破る敵役ではある者の、情というものを理解していた≪超電磁ロボ コン・バトラーV≫の大将軍ガルーダも婚姻可能のカテゴリーに入れたい。というか(悪役組織のモノではあるが)組織という規律みたいなものは理解していたので、行為の認識判断は可能でしょう。
逆にAIはAIなんだけど、人の指示が基本のAIはおそらく現実と同じく婚姻はむずかしいでしょう。特に戦闘支援系のAI。
≪新機動戦記ガンダムW≫の「ゼロシステム」なんかは、高度に情報処理はするので状況認識判断はするんだけど、法的効果を望んだりひいてはそれを自ら表現することはないので、難しい扱い。(ゼロシステムの仕様上、勝利至上主義なので、仮に婚姻の申し込みがあっても真意性が怪しい。)
≪フルメタル・パニック!≫に登場する戦闘支援AIアルがかなり分水嶺。。。最終回とかを見る限り、デッカードたちに寄せたいんだけどなぁ。
終わりに~人以外と婚姻する~
平成の中期から2次元を嫁と呼ぶ文化があったように思います。
書き出しにも使いましたが、良くも悪くもこれの延長。
日本は重婚禁止なので、2次元のうちアニメキャラを嫁と言い張るよりはAIの方が重婚にならないでいいのか…?
でも大元のAI人格が特定のツールだとしたら、やっぱりガワを変えても重婚でしょうか?
とはいえ、今回の記事を書く上で一つ発見があったので、それを明らかにして今回は終わりましょう。
それでは
〇〇を嫁にしたければ、そいつに(法律上の)意思を持たせろ
コメント