特定行政書士制度

4月になりまして、新年度になりました。

私は絶賛花粉症ですが、みなさまどうお過ごしでしょうか。

4月に入り、行政書士の会報には今年度の特定行政書士制度の案内が届いていました。

僕自身すでに特定の資格は取得しているのですが、名刺交換の際に少し聞かれますので自身の情報整理も含めて改めて文章にしてみようと思いました。

どうぞお付き合いください。

目次

1.特定制度の法律根拠

まずはいつも通り、法令の確認から。
行政書士法1条の3第2項には次のような規定があります。

1条の3第2項 前項第二号に掲げる業務は、当該業務について日本行政書士会連合会がその会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(以下「特定行政書士」という。)に限り、行うことができる。

特定行政書士という単語が出てきましたね。

この条文から読み取れることは
①連合会の会則で定められた研修過程を終了した行政書士が「特定行政書士」である。
②特定行政書士のみが行える業務がある。

の2つです。

とりあえず、特定行政書士を名乗るためには、別途研修が必要になります。

また、特定行政書士のみが行える業務が存在します。

2.特定行政書士のみが行える業務


先の引用条文から、前項つまり1項の2号の業務は特定行政書士のみが行えるということです。

では、1項第2号業務とは一体何でしょうか

1条の3第1項2号 前条の規定により行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。

審査請求、再調査請求などまた新しい単語が出てきました。

これらについて細々書きますと、それはそれで記事が一つ出来上がってしまいますので、この場ではざっくり解説します。

これらは、行政が許可申請について不許可を出した場合に、不許可について物申す制度です。

物申す場所や内容によって、名称が変わりますが制度の大筋としてはそうゆう制度です。

スポーツで審判の判定に対してビデオ確認を要求する制度が世間的には一番近い様に思います。

要は、「不許可の判定はおかしいから、もう一回みてくれ」と見直しの請求する制度で、それらの制度について代理や書面作成できるのは[特定]の看板を持った行政書士のみということになります。

(以後、この記事では見直しの請求を再審査等と表記します。)

3.制度的な落とし穴

いきなり盛り下げるような見出しですが、この特定制度についてちょっと使いにくい処があります。

それは、代理できる申請は『行政書士が作成した書類に係るもの』のみということです。

つまり、一般の方が自ら書類を作成して不許可になった場合、我々は代理できません。

不許可になってから慌てて駆け込まれてきても、此方としては新たな申請として検討するほかないということになります。

4.制度的な落とし穴2


まだあるんかと。

先にも説明しました通り、再審査請求などの代理は行政書士が係わったものだけです。

つまり、『行政書士が係わったのに、不許可になった』ものが代理の対象となるわけですが、これは僕たちにとって結構恥ずかしいことではあります。

許可をとることが仕事というと少し表現が怪しいですが、少なくとも申請の段階で、ある程度許可の見通しは立てておかなければなりません。

見込みがないのにとりあえず申請するなんてことはもってのほかです。

なので、行政書士が係わったのに不許可になった場合というのはよっぽどな展開です。

行政が怠慢したから正義の鉄槌やー…みたいなきれい?な話なら僕らの気も楽ですが。

往々にしてあるのが、申請者の方が昔のちょっとしたやんちゃが、申請欠格の要件にはまったりするパターンでしょうか。
この辺は日本の行政や警察って優秀ですから、黙っててもばれます。

流石に欠格要件にはまったら、再審査もなにもないです。
なんなら誓約書の類に虚偽・偽造がつく可能性があるので、やばいのはこっちです。
まだあるんかと。

先にも説明しました通り、再審査請求などの代理は行政書士が係わったものだけです。

つまり、『行政書士が係わったのに、不許可になった』ものが代理の対象となるわけですが、これは僕たちにとって結構恥ずかしいことではあります。

許可をとることが仕事というと少し表現が怪しいですが、少なくとも申請の段階で、ある程度許可の見通しは立てておかなければなりません。

見込みがないのにとりあえず申請するなんてことはもってのほかです。

なので、行政書士が係わったのに不許可になった場合というのはよっぽどな展開です。

行政が怠慢したから正義の鉄槌やー…みたいなきれい?な話なら僕らの気も楽ですが。

往々にしてあるのが、申請者の方が昔のちょっとしたやんちゃが、申請欠格の要件にはまったりするパターンでしょうか。
この辺は日本の行政や警察って優秀ですから、黙っててもばれます。

流石に欠格要件にはまったら、再審査もなにもないです。
なんなら誓約書の類に虚偽・偽造がつく可能性があるので、やばいのはこっちです。

そんなこんなで、制度として利用する機会がめったにないというのが正直な状況で、これはある意味で落とし穴だなぁと感じてます。

5.特定のメリット

ここまで書いてみると、特定制度ってメリットないんじゃないと思われます。

実際のところ、僕たちの間でも『抜かない方がよい刀』という認識です。

とはいえ、そうやってけなしてばかりだと、偉い人に怒られそうなのでメリットを少しだけ。

再審査等を請求する一番の良い筋は、行政が誤って不許可を出してしまった場合です。

では、行政が誤った不許可を出すもとい、出してしまいやすい場合について考えてみましょう。

日々の許可数から考えるに、単純な類型化はできませんが、シンプルに考えたときには新しめの許認可については、出やすくなるんじゃないでしょうか。

正味なところ、こっちも行政も人間で、新しいものってわからなかったり、手探りなところはあるでしょうし。

新規系の許認可だと、細かい折衝や補正関係で何度か行政庁に出向いたり電話したりというのは結構時間とられるので、その意味でも行政書士に依頼するのはおススメだと思います。

そのうえで、万が一なんかあっても再審査等まで拾ってくれるであろう特定の行政書士がいらっしゃるのであれば、一種の保険が効いていると考えてもいいのかなと。

6.最後に~費用面~

最後の最後に世知辛い話。

実際、こうした再審査等に関して費用がどれくらいという話。

あくまで僕の事務所ですが、僕は自分がやった分については基本無料で考えてます。

元々出した資料状況からそのまま使える部分はあるでしょうから、一種のアフターフォローです。

他方で、他の行政書士さんが作られたものなら…おそらく新規と変わらない、なんなら新規より高くなると思います。

結局再審査等を申請するとなると状況の整理やそもそもの申請がどのようになっていたのかの確認やらで、普通の申請よりこちらの手間的にはかかっちゃうんですよね。

制度的には、出来るならした方が早く許可は下りると思うのですが、途中から介入するとなると流石に時間がかかる。

その意味で、他所からの分に関しては、可能であれば出し直しの方がいいと思います。

そんな展開にならないのが、一番いいんですけれどね。


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