はじめに
早いもので、今年も2月になりました。2月といえば、ニチアサを楽しむ人出会いと別れの季節ですね。単にプリキュアやスーパー戦隊シリーズでは、この時期に作品が入れ替わるだけですが。
現在放送中のスーパー戦隊シリーズも終盤に差し掛かり、ふと気になって過去の放送回をアマゾンプライムやネット配信で少し見返していました。その中で、改めて「これは面白い」と感じたシーンがあったので、行政法や行政書士の仕事と絡めながらお話ししてみたいと思います。
オープニングのワンシーンに注目!
放映中の「爆上戦隊ブンブンジャー」のオープニングについて紹介します。オープニングの17秒あたりのワンシーンに注目してみてください。
このシーンでは車のナンバープレートが映っていますが、よく見ると通常のナンバーではなく、ダミーのプレートが取り付けられています。特撮作品では、ナンバーの問題を避けるために架空のプレートを使うことが一般的ですね。
ここで注目してほしいのが、プレート左上のネジ止め部分です。この部分だけが特に大きくなっています。
実はこのネジ止め、実際の車でも装着されていて、界隈では「封印」と呼ばれています。
封印は、ナンバープレートの偽造や不正な付け替えを防ぐために設けられたもので、普通の自動車にも必ず取り付けられています。簡単に言うと、「勝手にナンバープレートを外したり付け替えたりできないようにする仕組み」ということですね。
ダミーナンバーに封印はできるのか?
ここで疑問が浮かびました。「ダミーのナンバープレートに封印を施すことはできるのか?」
これについて少し調べてみて、知り合いの先生に相談してみたところ「封印を施すことはできない」という見解でした。
つまり、このシーンに登場する封印は本物ではなく、ナンバープレートと同じくダミーだということになります。本作品では、実際の車をリアルに再現するために、ここまで細かい部分まで作り込まれているわけですね。
作中の「小道具としての車」に対して、ここまで細かい部分までダミーを用意していることに驚かされました。特撮の美術・小道具スタッフのこだわりを感じるポイントですね。
ナンバープレートの交付タイミングと撮影の工夫
さらに考えを進めてみると、当然このダミーのナンバープレートのまま公道を走ることはできません。車が公道を走るためには、正式なナンバープレートの取り付けが必要です。
したがって、オープニングで登場する車は、おそらく東映さんの私有地内を走っていると推測できます。撮影では、こうした事情を考慮してロケ地を選んでいるのでしょう。
さて、オープニングが終わると第1話が始まります。(本放送は各自の適法な方法でご覧ください)
実は、この車、本編開始早々登場するのですが、開始1分13秒あたりのシーンではナンバープレートがはっきり映っています。
よく見てみると、今度は普通のナンバープレートがついており、番号は「4488」。つまり、オープニングと本編でナンバープレートの状態が変わっていることが分かります。
ナンバープレートは、車を運輸支局(または運輸支局の出先機関である自動車検査登録事務所)に届け出た際に交付される仕組みになっています。つまり、オープニングの撮影時点では、この車はまだ正式に登録されていない可能性が高いということになります。
仮に、一旦登録自体は済んでいて、撮影の都合で取り換えている場合では、既に取り付けられているナンバープレートを取り外すなりの工事が必要です。ナンバープレートを取り外す際には封印を外す必要があり、これらナンバープレートの脱着には封印受託者(専門家)の関与が必要になります。勝手に封印を外してしまうと、違法行為となるため、撮影時には専門の業者が関与している可能性が高いですね。
ナンバープレートを勝手に外すと違法!
当然ながら、ナンバープレートを自分で勝手に取り外すことは法令違反です。
具体的には、道路運送車両法第11条の5違反に該当し、違反すると免許の減点(2点)に加え、懲役や罰金の対象にもなります。思った以上に重いペナルティがあるんですね。
最近ではYouTubeや自主制作の映像を撮影する人が増えています。プロの現場でやっているからといって、個人がこれを真似して勝手にナンバープレートを取り外したり交換したりするのは違法です。(良い子は真似しないでくださいの典型。)撮影やカスタマイズの際には、必ず法令を遵守し、正しい手続きを踏むようにしましょう。
まとめ
今回は、完全にネタ記事として書きましたが(笑)、この内容を通じて、東映さんの撮影スタッフのこだわりがいかに細かい部分にまで及んでいるのかを感じてもらえたのではないでしょうか。
また、撮影においても一定の法令を遵守する必要があり、ナンバープレートの取り扱いには専門家が関与しているという点も見えてきました。
おまけ
最後にちょっとした豆知識ですが、先ほど紹介したこの車のナンバープレート「4488」。これは、希望ナンバーで取得した可能性が高いですね。
というのも、「爆上戦隊ブンブンジャー」はスーパー戦隊シリーズの第48作目。つまり、「4」と「8」は意図的に選ばれた可能性が高いですね。こういう小ネタを発見すると、作品を観る楽しみがさらに広がるのではないでしょうか。
以上、ナンバープレートから見る特撮のこだわりについての考察でした!
独り言
完全に個別の独り言。
同作に登場する、車人間ことブンドリオさんたち。
彼らって宇宙人…でいいんだろうか、はたまた車なんだろうか…車だとすると、プレート取り付けないと…
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