日本人と外国人

最近ではすっかりコンビニの店員さんが外国人と思しき方ということが増えてきました。

この「思しき方」というボヤかした表現にはちょっと意味があります。

今回はそんなお話し。

目次

日本人の定義とは

皆さんは、「あなたは日本人ですか」と問われたらどう思いますか。

「はい」でしょうか「いいえ」でしょうか。

ところで、その回答に法的な根拠があるのはご存じでしょうか。

単に日本人の両親から生まれたからとか、日本という土地で生まれ育ったからというものではないのです。

なので、法令を見てみましょう。

法令上の規定

憲法上にはこのような規定があります。

第十条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION

所謂委任規定と呼ばれるもので、これ単体でははっきりとはしません。

ですが、これを定めた法律があります。

それは、国籍法です。

第一条 日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000147

この法律によれば、日本人とは日本国籍を有する者とよむことができます。

バシッと書かれたものはありませんが、この条文を見ていただければ察せられると思います。

第四条 日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によつて、日本の国籍を取得することができる。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000147

外国人は日本国籍を取得できる=外国人は日本国籍を有していないということですね。

ですので、目の前の方が日本人か外国人かは、国籍を見なければ判別がつきません。

これが一番初めの「思しき方」という断定を避けた表現につながっていたのです。

外国人であるとどうなるのか

ここからは少し深堀して、外国人であればどうなるのかを憲法上の規定を中心に見てみましょう。

外国人の日本国内における人権について考える判例として『マクリーン事件』があげられます。

当該判決では、このように述べています。

(前略)憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものと解すべきであり、(以下略)

シンプルにみると、外国人にも基本的人権が保障されてよかったと思われるかもしれません。

しかし、この判決文は「日本国憲法が保障する基本的人権の一部は日本人のみを対象としている」と宣言しているのと同義ですから、その評価は賛否両論あるでしょう。(政治的な話が強くなるので、ここでは立ち入りません)

実際のところ、外国人の方は日本に留まるためには、在留資格の範囲内でしか留まれないため、出入国の自由を認められているとは言えません。

なので、憲法保証という意味合いでは、日本人であるか外国人であるかは決定的な違いを持ちます。

忘れてはいけない大前提

とはいえ、外国人の方も同じ人間であるということは忘れてはいけません。

財産の自由や身体の安全など、保障されるべき権利は当然に保障されるべきです。

何を当たり前と思われるかもしれませんが、こういった当たり前って結構抜けがちなので。

時事で考える

最近、行政書士界隈で外国人関連ニュースで話題なのはこちら

故意に税金未納や滞納を繰り返した場合 国が永住許可取り消しへ

状況を整理しますと、帰化により日本国籍を取得していないので、未だ外国人の方ですね。

その方が日本に留まるためには在留資格が必要なのですが、そのうちの一つとしての永住です。

その永住の在留資格を事後的な事実によって取り消せるようにするというのが、今回の法令の改正案です。

当然ながら、日本人が同様に税金の未納や滞納しても国外追放とはなりません。
(これはこれで今の政治家さん達にはトレンドですよね)

ですが、外国人の方には日本に留まる権利が失われる形になるので、国外にでることになります。

この辺が、日本人と外国人の国内における差と言えるかもしれません。

おわりに

実は、この日本人と外国人というテーマに関して、中学生のころに僕が興味を惹かれるテーマがありました。

それについては、話が脱線しますので、別途記事にした場合にはこちらでお知らせするとします。

そんな次の記事に向けて退路を断ったところで、今回のお話を終えたいと思います。

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