外国人雇用の相談で、行政書士がまず見ていること

― 在留資格だけでは判断できない理由

皆さんこんにちは。

今回は、外国人雇用の相談を受けたときに、僕たち行政書士がどんなところを見ているのか、少し整理してみようと思います。

特に僕の場合ですが、相談を受けるときにはいくつかのチェックポイントを意識しています。
それを一度並べてみると、企業の方にとっても参考になる部分があるのではないかと思いました。

いわば、外国人雇用の相談を受けたときのチェックリストのようなものです。

この記事を通じて、外国人雇用を考える際の視点の一つとして、何かしらのお手伝いになればと思います。


目次

まず確認されるのは「在留資格」

外国人を雇うと考えたとき、まず気にされるのはおそらく在留資格が何かという点だと思います。

在留資格の中には

  • 就労できるもの
  • 就労できないもの

がありますから、まずそこを確認するというのは自然な流れです。

実際、この考え方自体は間違いではありません。
就労できない資格で働いてしまうと、それだけで違法就労になってしまうからです。

ただし、ここで一つ注意が必要です。

就労できる在留資格であることが分かったからといって、直ちに働けるとは限らないという点です。

この部分は、外国人雇用の相談でよく出てくるポイントでもあります。


最初に確認するのは「どんな活動をするのか」

実際に僕たちが相談を受けるとき、最初にお聞きするのは

「どんな活動をする予定ですか?」

という点です。

在留資格が何か、という前に、まず何をする予定なのかを確認します。

この順番が意外と大事です。

というのも、在留資格というのは
職業の名前ではなく、活動の種類で整理されている制度だからです。

そのため、企業として

  • どんな仕事をしてもらうのか
  • どんな役割を想定しているのか

この活動内容がまず固まっていないと、在留資格との関係も判断できません。

企業にとって、その活動は当然ながら会社の利益につながるものです。
だからこそ、まずはどんな活動をしてもらうのかを整理することが先に来るのだと思います。

そのうえで、

  • 今持っている在留資格で対応できるのか
  • 転職の場合はその資格で問題ないのか

といった形で検討を進めていくことになります。


面談では在留カードを確認する

次に行うのは、外国人本人との面談です。

原則として、僕は対面での面談を基本にしています。
オンラインで済ませることもありますが、できるだけ対面で確認するようにしています。

その際にまず確認するのが、在留カードです。

在留カードを見るとき、もちろん在留資格の種類も確認しますが、
実はそれ以上に気にしている部分があります。

それは裏面です。

在留カードの裏面には住所の記録があります。
その住所と、現在の居住地が一致しているかを必ず確認します。

というのも、引っ越しをしているのに届出をしていないケースが、意外とあるからです。

この手続きがきちんとされていないと、後の手続きで思わぬ問題になることがあります。
そのため、こうした基本的な届出がきちんと行われているかは、最初の段階で確認するようにしています。


在留資格と活動内容が合っているか

在留カードを確認したうえで、次に見るのは

その在留資格で、予定している活動が本当にできるのか

という点です。

この判断は、感覚だけで行うわけではありません。

僕たちの場合は、

  • 実務でよく使う専門書
  • 行政が出している審査要領
  • 公表されている資料

こういったものを確認しながら判断していきます。

場合によっては、入管に電話で確認することもあります。

もっとも、入管の電話はなかなかつながらないんですよね。
何度もタイムアウトしてしまうことも多くて、そこは少し大変なところです。

ただ、制度の運用は細かい部分も多いので、
確認できるものはすべて確認してから動くという姿勢は大事にしています。


学歴や職歴も重要な判断材料

もう一つ確認しているのが、本人の学歴や職歴です。

特に「技術・人文知識・国際業務」のような在留資格では、
学歴やこれまでの職歴が大きく関わってきます。

大学で何を専攻していたのか。
これまでどのような仕事をしてきたのか。

こういった点は、予定している業務との関係を見るうえでとても重要になります。

そのため面談では、履歴書や職務経歴書を見ながら、
これまでの経験についても確認するようにしています。

ここが業務内容ときれいにつながっていると、
申請としても説明がしやすくなりますし、更新の際にも安定しやすい傾向があります。

逆に、この部分が曖昧だと、
後から説明に苦労することもあるので、最初の段階でしっかり整理しておくことが大切です。


在留期間の長さも見ている

もう一つ、意外と見ているのが在留期間の長さです。

在留資格には

  • 1年
  • 3年
  • 5年

といった在留期間が設定されます。

当然ながら、長い期間が付いている方が、
それまでの在留状況や勤務状況が安定している可能性が高いと考えられます。

逆に、短い期間の場合は、少し慎重に状況を見ることもあります。

これは本人が悪いというよりも、
会社の規模や経営状況が影響することも多いからです。

例えば、ベンチャー企業などでは、会社の体力の問題で在留期間が短くなることもあります。

外国人は就労のために日本に来ていますから、
会社が突然なくなってしまうような状況は、制度としても望ましくありません。

そのため、企業の安定性という点も、
在留期間の判断に一定程度影響していると言われています。

僕が在留期間を見るのは、
これからの更新手続きの見通しを考える意味もあります。

どのような準備が必要になるのか。
そこまで含めて見ている、というのが正直なところです。


まとめ:最初に整理するべきポイント

外国人雇用の相談を受けるとき、僕が見ているポイントは大きく言うと次のようなものです。

  • どんな活動を予定しているのか
  • 在留資格は何か
  • 在留カードの情報は正しいか
  • 在留資格と活動内容は合っているか
  • 学歴や職歴はどうか
  • 在留期間はどれくらいか

こうして並べてみると、特別なことをしているわけではありません。
ただ、制度が少し複雑なので、一つ一つ確認していくことが大切になります。

外国人雇用は、正しく理解すれば特別難しいものではありません。
ただ、最初の整理を間違えると、後から手続きが大きく変わることもあります。

そのため、まずは活動内容を整理すること
ここから考えていくのが、一番分かりやすいのではないかと思います。

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この記事を書いた人

大阪を拠点に、建設業許可・在留資格・ドローン・障害福祉などの許認可手続きを中心に取り扱っています。
法律を専門的に学んだ経験を背景に、複雑な手続きの要点を分かりやすく整理し、実務でつまずきやすいポイントを拾い上げて紹介しています。
ときどき雑談や趣味の話題も交えながら、専門的な内容をできるだけ読みやすくまとめているブログです。

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